借地権は借地借家法によって保障されています。

2018-06-15

民法上の借地権の存続期間は最長20年ですが、借地借家法では借地権の存続期間は30年となっています。又、契約でこれより短い期間を定めた場合でも30年が保証されています。契約で30年よりも長い期間を定めた場合は、契約で定めた期間が適用されます。

つまり、「借地権の存続期間は30年以上です」と法律で定められているということなのです。民法と借地借家法は異なる部分があるので、違いと理由を良く理解しましょう。

借地借家法とはどの様な法律か?

借地借家法は、土地や建物を借りる場合に適用される法律で、土地や建物を借りる人を保護するための法律です。この法律で民法上の賃貸借について賃借人が不利になる部分を修正しているのです。建物の所有を目的とする地上権や土地の賃借権を借地権といい、この借地権については借地借家法が適用されます。

そのため、民法とは存続期間が異なるのですが、30年以上の存続期間が保証されているのです。せっかく土地を借りて家を建てたのに、20年で立ち退かされたのでは困りますよね。

そのために民法では保護しきれていなかった賃借人の借地権をこの法律でカバーしています。

ただし、この法律は建物を建てた場合に適用される法律であって、建物が無い場合には適用されません。例えば、青空駐車場の経営目的で土地を借りた場合は、借地借家法は適用されず、契約の存続期間は民法が適用され20年となります。

建物の無い青空駐車場ならば、契約の存続期間が終了したから、出て行ってくれと言われても大きな不利にはならないという考えからです。

借地契約の更新について

借地契約の更新方法には、合意更新、請求更新、法定更新の3つがあります。このうち、合意更新は土地の上に建物が無くてもOKですが、請求更新と法定更新は建物がある場合のみに限られます。合意更新とは、当事者で合意して更新したもので、最初の更新は20年以上、次の更新からは10年以上が更新期間となります。

請求更新は土地の上に建物がある場合に限り、借地権者(借主)が更新請求さえすれば、契約を更新したものとみなします。つまりは貸主の合意が無くても請求すれば契約は更新されるのです。最後に法定更新ですが、建物がある場合に限り、契約の存続期間後も借地権者(借主)が土地の使用を継続する時は、契約を更新したものとみなします。

請求更新と法定更新ともに、貸主に正当な理由があって遅延なく異議を申し立てた時には更新されません。これらも、最初の更新は20年以上、次の更新からは10年以上が更新期間となります。

建物買取請求権

借地権の存続期間が満了した場合、借地契約の更新が無い場合は借地権者(借主)は借地権設定者(貸主)に対して建物を時価で買い取ってくれるように請求することができます。民法上は、更地で返さなければならないことになっていますが、せっかくある建物を取り壊すのは非常にもったいない話なので、借地借家法ではこのように定められ借主を保護しています。

ただし、地代を払わなかったなど借主に問題があっての契約解除の場合は適用されません。

借地権の対抗力に登記は必要か?

民法上では、不動産の賃借人(借主)が第三者に対して賃借権を対抗するには登記が必要となっています。しかし、借地借家法ではたとえ土地の賃貸の登記が無くても、自分が所有者として登記した建物を持っていれば、第三者に対抗できるとしています。

これは、通常は借地権の登記はほとんど行われないため、登記した建物を所有していればOKとしているのです。しかし、建物の登記がしていない場合はこの限りではありません。もし、建物が火事や地震などで無くなってしまった場合は、どうなるのでしょうか?その場合は、その土地の見やすい場所に何時どんな建物がなぜ滅失したかと新たに建物を再築する旨の看板を立てれば、建物が無くなってしまった日から2年間は借地権の対抗力を維持することができます。

借地上の建物を譲渡する場合

借地の上に立っている建物は売買したり、譲渡することはできるのでしょうか?土地の借主がその土地の上にある建物を第三者に譲渡することは自由にできます。しかし、建物だけ譲渡しても、その建物に借地権がついていなければ、土地が使用できないので意味がありません。

そこで、この場合は借地権も譲渡するか転貸する必要があります。借地権が地上権(物権的権利で自由に売買できる)の場合は、自由に譲渡や転貸ができますが、日本では借地権はほとんどの場合、土地賃借権ですので借地権設定者(貸主)の許可が必要となります。

このため、貸主が承諾しないと建物の売買ができなくなってしまいます。これでは、借主には非常に酷なので、借地借家法では裁判所の許可があれば良いこととなっています。

つまり、借地権設定者(貸主)が承諾しない場合、借主は裁判所に申し立てて許可を得ることができるのです。

裁判所の許可を得る前に第三者がこの建物を取得した場合、借地権設定者(貸主)が土地賃借権の譲渡や転貸をどうしても承諾してもらえないとしたら、第三者はどうしたら良いのでしょうか?この時は、借地権設定者(貸主)に対して時価で建物を買い取ることを請求ができます。

建物を譲渡する前ならば、裁判所の許可を得ればよいのですが、譲渡の後で承諾を得られない場合は、本来この第三者は建物を取り壊して出ていかなければならず、それではあまりにももったいないので、買い取り請求ができるようにしているのです。

又、この第三者が競売でこの建物を取得した場合、借地権設定者(貸主)の不利になる恐れが無い時に承諾を得られなかったら、取得後でも裁判所の許可を求めることができます。単なる譲渡の場合には、借主が裁判所に許可を申請しなければなりませんが、競売で第三者が取得した場合はこの第三から申請します。

さらに、承諾も裁判所の許可も得られない場合は、第三者が時価での買取を請求できるのです。

借地権でのトラブル回避には法律の深い理解が必要です

土地を貸す側も借りる側も、トラブルを回避するには法律の深い理解が必要です。土地を貸す側は、借地権は民法の規定以上に借地借家法で保護されていることを理解しておかなければなりません。又、この法律に反した契約をしても、無効になってしまうことも理解しておきましょう。

借りる側は、あくまでも土地の上に建物が建てられ、その建物の登記がされていることで保護されていることを理解する必要があります。又、第三者が建物の取得をする時、借地権の有無の確認は必ず必要です。

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